今月は、週に1冊か2冊のペースで、2020年上半期に刊行された書籍の中から、
ブログにておすすめの書籍をご紹介していきます。
海外刊行のアートブックは、完売後、すぐに再販されないものも少なくありません。
数年後にお問い合わせを頂きそうな本年刊行の書籍をご紹介しております。
《Recommended Summer Book #4: Adrian Ghenie - Paintings 2014 to 2019》
オンラインストアへ→エイドリアン・ガーニー
ルーマニア出身のガーニーは、学校を卒業後、わずか十数年で国際的なキュレーターやオークションハウスに知られる画家となりました。2006年に現在は閉廊となったチューリッヒのHaunch of Venison Galleryのグループ展、2008年ベルギー・アントワープのTim Van Laere Gallery、2009年イギリス・ロンドンのHauch of Venison、そして世界的なオークションハウスクリスティーズで作品が発表されました。そして、2015年には第56回ヴェネチア・ビエンナーレのルーマニア館で大規模な展示を行い、さらに世界中で注目される現代画家となりました。
ガーニーの精力的な作品は、フランシス・ベーコンと比較されますが、本人は、ベーコンから直接的に刺激を得ているわけではなく、過去の多くの人々から得ていると言います。ある評論家は、ガーニーは、過去の出来事からの描写に長けており、何かの感覚を描き出すことに成功しているし、現時点でも常に進化している芸術家であると言いました。
Artbook Eurekaでは、過去に他に2冊の書籍を扱っていましたが、今年刊行された「Paintings 2014 to 2019」は、この若い芸術家が、ヴェネチア・ビエンナーレで大規模な展示前後の代表的作品から、移民のテーマやトランプ米大統領をモデルとした昨年の2019年までの作品を掲載しています。メディアとしての絵画の力能を見つめ、パレットナイフやステンシルなどのテクニックによって、複雑で多層的に絵画を構築するガーニーの魅惑的な絵画が、今までで一番多く掲載されている書籍です。
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